エジリ・フレーダ/Erzulie Freda
マンボ・エジリ・フレーダは、強い魔術を使う美しいロアだ。フルネームはメートル・マンボ・エジリ・フレーダ・ダホメ。この名前に使われている言葉はすべて、この美しいロアのさまざまな側面を言い表している。
彼女は愛（ロマンチック）、贅沢、ギャンブル運、豊かさ、洗練、その他諸々を司る。さらに涼しさや新鮮さ、清潔さを連想させる。彼女への奉仕には清潔さが求められる。
エジリ・フレーダは３人の夫がいることで知られるが、妻というよりも愛人のように振る舞うことから、愛人や情婦だと表現される。彼女の３人の夫はすべてロアで、名はオグン・フェレイ、ダムバラー、そしてメト・アグウェ・タウォヨである。エジリは３つの金の指輪を身につけている。それぞれの夫のための指輪だ。
マンボ・エジリ・フレーダは心を司るため彼女のヴェヴェ（儀式用の絵）は美しいディテールを持つハートの絵になっている。彼女は仕える者にロマンチックな愛をもたらし、愛の豊かさを祝福してくれる。そのため、エジリは最も美しい女性として描かれ、なだらかに垂れる金色の長い髪を持つ白人女性だとされている。
エジリ・フレーダの姿はカトリック教会の宗教画「悲しみの聖母」によく似ている。彼女は確かに力強いロアだ。上級魔術師であり、偉大なマンボでもある。エジリは仕える者に大きな成功をもたらすことができ、彼女がプウェン（ロアを呼び寄せるよう魔力を集中した場）にかけたワンガは迅速かつ見事な成功を収めることが多い。彼女は物質的な成功と豊かさを支配しており、仕える者にこうした贈り物を与える。
エジリは女性が嫌いで、自分に仕える者であっても、あまり女性に触れることはない。女性に対しては小指を交差して挨拶するだけだ。しかし、その動きはとても繊細で洗練されている。また、彼女は男女関係に問題を起こすと言われている。エジリは基本的に女性に嫉妬しているからだ。女性が抱える問題がエジリによって引き起こされていると気づくことも多いだろう。しかし彼女に仕える女性や子供もたくさんいる（それは当然のことだ）。だからそういった者たちも丁寧に扱い、大事にしている。彼女は男性が大好きで、抱きしめたりキスしたりする。また、頻繁に男性と結婚し、贈り物や祝福を与えることでもよく知られている。
しかし、幻想を抱いてはいけない。彼女は魅惑的できらびやかだが、とても力強いマンボでもあるのだから。彼女がいるだけで負のワンガは役に立たなくなる。彼女は毒も無効化する。だから彼女は愛称として「ガテ・サ」とも呼ばれるのだ。彼女はとても強力なワンガをかけ、実に効果のある魔術を使う。フレーダは働きたいときにだけ働く。だがよく働くし、その働きぶりは見事なものだ。
彼女はとても複雑である。繊細に扱い、奉仕も正確に行わなければ、助けてくれない。彼女自身が行う奉仕は、とても上品で洗練されている。
彼女が表す色は白とピンクだ。ゲイの男性は彼女の庇護を受けていると言われる。彼女は生活に存在する良いものすべてを愛している。フレーダは、完璧さを求める気持ち、欲望、願望を持っている。彼女はいつももっと欲しいと思っていて、自分の欲求が満たされないと泣き出してしまう。
マンボ・エジリ・フレーダは、彼女の神聖な日である木曜日に奉仕するのが最も効果的だとされている。